京都らしい、温かく、柔らかい映画。BBBムービー「事実無根」。
なんでそう思うのか、理由はよくわからないのだが、
「京都らしい映画やなあ」と思った。
もちろん、風景でそう思うところもあるんやろうけど、
濃密過ぎないけど、薄過ぎもしない人間関係とか、
ちょっとゆったり目のテンポ感とか、
都会らしさと、田舎っぽさが同居してるところとか、
すべてを含めて、ええ感じで京都らしさが漂う映画だった。
そうか、現代の京言葉にも残るゆるりとした雰囲気が、
深刻な事態でも、どこかに優しさを感じさせるのかもしれない。

ある意味「偶然が重なり過ぎやろ!」と思うようなストーリーなんだけど、
近藤芳正さん、村田雄浩さんの達者な演技で、
その嘘っぽさも納得させてしまう。
二人の必死だからこそ出てくる自然な可笑しさも、
映画のいい味付けになってる気がした。
この映画、撮影は、知り合いのカメラマン武村さん、
この日は舞台挨拶もあって、武村さんと監督の柳裕章さんのお話も聞かせて頂いた。

そう言えば、確か以前、渉成園から五条通まで歩いてる途中、
公園に面したところにカフェがあるのを見かけて、
「珍しい場所にあるなあ」と思ってたのだが、
映画で観てると、その場所にすごく似ていたので、
後日、武村さんに聞くと、やはりその場所で撮影したそうだ。
そうそう!映画でも、このカフェの名前、「そのうち」となってたのだが、
前を通りがかった時も、「そのうちcafe」という看板見て、
「ええネーミング!」と、思ってたのだった。
そのときは時間なくて寄らなかったのだが、
ぜひ一度尋ねてみよう。
後日、寄りました。
(20241103記)
ひとつ気になったのは「事実無根」というタイトル。
冤罪的な話も出てくるので、
途中までは、そういう社会的なテーマの映画なのかな?と思いながら観てた。
ワシのイメージかもしれないのだが、
四文字熟語って、すげえ硬派なイメージがあるので、
社会的なテーマを扱いつつも、のほほんとしたムードのある
この映画には、ちょっと合わない気もした。
ということは、置いといて、観ると、
なんだか温かくて、柔らかいものに包まれたような気分になる、
気持ちいい映画やと思います。
シアターセブンでの公開は終わっちゃいましたが、
2024年に全国で公開されるらしいです。
皆さん、ぜひご覧ください。
もう一度、拝見しました。
(20241210記)