キルギスの片田舎で全世界を感じる。BBBムービー「父は憶えている」。
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主役がひとことも喋らないのに、
生まれ育った土地への愛着、家族への愛情、
気持ちはすごく伝わってくる。
キルギスの歌が、心に残る。
初めて聴く歌なのに、
その歌に込められた先人たちの記憶や、生活が
感じられて、胸を締め付けられる。
変にBGMがないのがええなあ。
その分、その場で誰かが歌ってる曲、
奏でてる音楽がダイレクトに響いてくる。
記憶をなくしても、言葉を失っても、
ひとりひとりの人間のことは覚えていなくても、
故郷や家族への愛は、心の一番深いところに住み着いている。
ローカリティにこだわって、深く掘り下げていった結果、
世界中の誰もが感じるような、
故郷への思い、家族への思いに到達した普遍的な映画だと思う。

土埃の舞い立つ、日本とはまったく違う土地なのに、
何か、忘れてしまってたけど、確実に自分の中にあった感情を、
呼び起こされる気がしていた。
風景だけ観ていると、昔話のようにも思えてくるのだが、
コロナの話が出て、「あ、今の話なんや」と気づく。
コロナって、ほんま、世界史上、始まって以来の、
世界共通の事件なんかもしれんな。
行ったこともないし、
映像もあまり観たことない、
まったく知らない国の話なのに、
なんかおじいちゃんの家に行ったような気分にもなってました。
去年、観た映画。
ローカルへのこだわり、
自分への掘り下げを極めることで、
全世界・全時代に通じる普遍性を獲得する。
文化として、すごく正しい気がします。
(20241214記)

