ワシがサーフィン映画を!BBBムービー「ガザ・サーフ・クラブ」。
やるのはもちろん、観る趣味もないのに、
サーフィン映画を観に行った。
「天井のない監獄」と言われるガザに住むパレスチナの若者たちは、
廃墟を抜けてビーチに向かう。
嬉々としてサーフィンに興じてるシーンは、
なんだかホッとすると同時に、切なくもなる。
彼らが唯一、若者に戻れるのが、
この大好きな海、大好きなサーフィンなのだろう。
なのに、イスラムのハラームで禁止されているらしく、
成人女性は、サーフィンどころか水着になるのもいけないらしい。
ワシらが「持ってて当たり前」と思ってるものを、
いろんなルールで何重にも拘束され、
取り上げられてるんやなあ。
男性でも、ガザはサーフボードを輸入するのも難しく、
自作したり、苦労に苦労を重ねて手に入れたり、、。
若者たちは、そのガザにサーフ・クラブを作ることを夢見る。
奇跡のようにビザのおりた若者が、ハワイに、そのための勉強に行く。
彼の目を通して見たハワイの感想が新鮮だ。
ほぼガザしか知らなかった人たちに映る、
ハワイの自由な世界、敵意のないフレンドリーな外国人に会うことも、
なかなかなかったのだろう。
ほんまに他の文化に触れることは、大切なんやなあ、と、思う。
そして、人と人とが直接触れ合えば、
やはり友情が芽生えたり、
相手の置かれた状況を想像したりするようになるもんなんやなあ。
国と国との戦争が、どれほど罪深いものなのか、
個人個人の繋がりが、どれほど尊いものなのか、
理屈ではなく、肌で伝わってくる気がした。
こんな紛争地域に住む若者たちだけど、
普通にユーモアもあって、冗談も言い合うようなシーンは、
なんか救われる気がしたなあ。
ちなみに、この映画は2016年の作品。
ガザの状況は、この映画の時より、ずっと悪くなってるはずだ。
果たして、ガザ・サーフ・クラブは完成したのだろうか。
完成したとして、今も、存在するのだろうか。
そして、この映画に出てた若者たちは、今どうしているのだろう。
話変わるけど、ガザというと地中海に面した町なのに、
あんなに大きな波が来ることにビックリした。
ギリシアから船で島に渡ったり、
バルセロナから眺めたりしたことはあったけど、
どちらも穏やかで、内海なので、なんとなく瀬戸内海みたいな、
波のない海を想像したことしかなかった。
考えたら、日本海よりはるかに広い海やもんな、そら波も出るわな。
あと、音楽が全部かっこよかった。
ちょっとアラブっぽいレゲエとか、聴いたことない種類の音楽が、
すんげえ気に入った。
サントラ、ないのかな?