おばさんの通勤圏内のロードムービー。BBBムービー「ゴースト・トロピック」。

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「こんな小さなことが映画になるのか」と驚く。
おばさんが、最終電車で寝過ごして、終着駅まで来てしまい、
お金もないので、歩いて家まで帰るってだけの話。
通勤圏内だけど、これはある意味、ロードムービーやと思う。

その道中で、会った人たちの人生、おばさんの人生が、垣間見える。
そのいくつかの人生や、シーンは、美しかったり、悲しかったりするのだが、
家に帰る途中の風景なので、深くは立ち入らず、通り過ぎていく。
これは一夜の物語やけど、人生そのものも、他者との関わりって、
そういうものかもしれない、とも思った。

主人公は、ヒジャブを被ってるし、名前からしても、
アラブ圏からの移民なのだろう。
街で夜遊びをする娘を見かけるシーンがあった。
終着駅で困って、迎えに来て欲しいと電話したけど、
連絡のなかった娘なのだろう。
でも結局、声をかけずに、、。
というシーンが、親子の違いや、移民の難しさを、
ちらっと感じさせて、キュンとなった。

わかりやすいストーリーもなくて、
観る人によっては「何やったんやろう」と思ってしまう映画かもしれんが、
観終わったときの何かを補給してもらったような満足感は、得難いものだった。

このおばさんは、仕事疲れで、酔っ払ってはおらんのやけど、
ワシもときどき、やらかして、タクシーもなくて、
路頭に迷うことがないではないので、
あの不安な気持ちを思い出しながら、
この映画を観ていた。

けど、電車、もうないのに、けっこうお店やってたりもする。
ベルギーの最終電車って、そんな早いのかな。

予告編にも出てる犬の、哲学的なまなざしが、むっちゃ印象的な映画でした。

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