この人だけに見えていた世界。BBBムービー「ボブ・マーリー ラスト・ライブ・イン・ジャマイカ レゲエ・サンスプラッシュ」。

ボブ・マーリーの名前を冠しているけど、
実際は1979年ジャマイカで開催されたレゲエ・サンスプラッシュのライブ映画で、
ボブ・マーリーの出演は、後半の半分くらいかな?

けど、他の出演者もサード・ワールド、バーニング・スピア、ピーター・トッシュとすごい。
何より、体験できなかった、あの頃のジャマイカの(まあ、今もまだ行ったことないんだけど)、
空気が感じられるのが、嬉しい。
貴重な映像だ。

サードワールド、後の「トライ・ジャー・ラブ」の世界的ヒットに繋がる
横ノリ中心の当時のレゲエには珍しいドライブ感やハーモニーって、
この頃から、もうあったんやな。
サード・ワールドがブレイクした時、
「ちょっと、レゲエの文脈とはちゃう感じの受け方やなあ」と思ってたんやけど、
それって、多分、このドライブ感とかで、
だからこそ、「レゲエ」としてではなく、
ノリのいい「ポップミュージック」として、
世界に受け入れられたんかもしれんな、と映画観ながら気がついた。

映画でちらっと出てくるんやけど、
ドラムだけの原理主義みたいなんがレゲエにもあって、
そいつらの意見が一番過激なんやな。
「抑圧するものは打倒しなかればいけない」みたいな。
同じ映画の中でボブ・マーリーが
「俺は『抑圧するものに死を』とは歌ってない」と言ってるのと、対照的やった。
どの宗教でも、原理主義は過激に走るってのは、
あり得ることなんかもな。
ま、レゲエをラスタファリズムという宗教と見るかどうかの問題もあるんだろうけど。

バーニング・スピアもピータートッシュも、むちゃくちゃ、かっこええんやけど、
ボブ・マーリーが出てくると「この人は別格なんやなあ」ということが
即座に伝わってくる。
レゲエという音楽を超えて、この人にだけ、
見えていた世界が確実にあったんやろうな。

その気持ちで見てたので、最後の曲が「エクソダス」だったのが、嬉しかった。
やっぱり、ボブ・マーリーは伝えたいことがあって、訴えたいことがあって、
ジャマイカで、このイベントに出たんやなあ、と実感できた。

5月10日には、ボブ・マーリーの伝記映画「ONE LOVE」が公開予定。

公式サイト

来月には、イギリス在住でジョー・ストラマーやマッドネスとも親交のあった
生けるレジェンド、ジミー・クリフのドキュメンタリー映画
「ボンゴマン ジミー・クリフ  デジタルリマスター」も公開予定。

公式サイト

今年は、レゲエ・イヤーになりそうや。

今流行ってるレゲエには、聴いても、あまりピクンとできなくて、
ほとんど興味が湧かないんやけど、
この頃のレゲエを聴くと血が騒ぐのは、
懐メロおじさんになった証拠なのだろうか。

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