それでも春には鶯が鳴いていた。BBBムービー「津島 ー福島は語る・第二章ー」。
住んでた人たちへの丹念なインタビューから、
震災前の津島の様子、震災後の一人一人の心情が痛々しいほど伝わってくる。
避難地域での子どもの、いじめの強烈さに絶句。
う〜〜む、先生が、、というやるせない気持ち。
築200年の民家をはじめ、古い建物も倒壊してなかったので、
震災直接の被害は、あの地域にすれば、それほど大きくなかったのかもしれない。
海からも離れた土地なので、津波の影響もなかったようで、
この地域の主な震災被害は原発事故によるもの。
見た目は、震災前とほぼ変わらない。
四季の美しさは格別だし、
鳥の鳴き声が、心を撫でてくれる。
なのに、住んでいた人々の生活は、
根こそぎ、失われてしまった。
住んでいた人々の気持ちも一様ではないけど、
津島を恋しく思う気持ち、
震災前の暮らしに戻りたいと思う気持ちは、
皆さん、どこかに持っておられた。
「想定外」という言葉が免罪符のように使われるけど、
一度起こると、想定外であっても、
先祖代々、受け継いできた、人々の幸せを、
百年にも亘って、破壊するものが、
この世にあっていいのだろうか、
と、改めて、考えさせられた。
映画の中でも言ってたけど、
この問題を、かわいそうな一地方の問題ではなく、
ワシら自身の問題として、みんなが捉えないとあかんのや、
とも、改めて思った。
ちょっとだけ、イラっとしたのは、
インタビュアーの顔は見えないのに、声が入って、
中途半端に人格が見えて来ること。
特に、インタビュー受ける人の言葉に対するリアクション。
なんだか、同じリアクションを強制されてるみたいに感じてしまった。
インタビューの現場では、相手がしゃべりやすくするためにも、
コミュニケーションとして仕方ないんだろうけど、
映画にする時、少しでも軽減して欲しかったなあ、とは思った。
どう感じるかは、観てる人の自由、と言うか特権だと思うんだがなあ。
あと、これは、とても個人的な好みの話なんだけど、
エンディングソングの「これでもかこれでもか」の、
湿り切った「いい歌感」が、
ワシには、とてもきつかった。