正義よりも、事実よりも、大切なもの。BBBムービー「ミッシング」。
考えさせられる映画だった。
加害者でも、被害者でも、
少し話題になってる人物なら、
お遊びのように叩いて喜ぶ社会。
ギスギス増幅装置としても機能しまうSNS、
それに負けまいとするのか、今まで以上に、
ますますギスギス増幅機能を
アップグレードしてしまうテレビ局。
これって、やられる人間はもちろんだけど、
やってる人間も誰一人、幸せにはならないんよな。
一時的にはスカッとしても、
無関係の人を叩いたという意識は、
どこかに澱のように溜まっていって、
いつか自分を傷つけるんじゃないか、と思う。
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きっと、人間には、正義とか事実とかよりも、
もっと大切なものはあるんやろな。
ラストシーンに少し覗いた救いは、
その存在を感じさせてくれる。
やっぱり人を傷つけない、悪意のない行為は、
気持ちよく報われることもある。
「情けは人の為ならず」ってことなんかもな。
石原さとみさん、かなりうざかったんやけど、
それがすごくリアルで響いてきた。
家族を失う本質的な悲しさを、
きちんと描いた、しっかりした脚本の映画やし、
誰も手を抜いてない演技で、
終わり方も、すごく納得のいく、ええ映画でした。
※ここから少しネタバレになります。
ワシ的には、弟にも娘との大切な思い出があって、
姪っ子を失ったことを悲しんでるのに、
そこに辿り着く前に、
いろんなことに躓いてるんだとわかって許せるシーン、
さくらちゃんのお母さんの登場で、
ようやく涙を流せた夫のシーンが、
すごく印象に残った。
映画館出る時、
おばさん二人連れが、
「結局見つかってないやんなー」
「見つからない話なの」
「落ちないやん」て会話が聞こえてきて、
大阪らしゅうて、おもろかったです(笑)