ShinBow@ウノムンド。

ちょっと時間経っちゃいましたが、
先日、ShinBowさんのライブに行ってきました。
今回は天満市場の近所、ウノムンドで。

ざわざわとする会場のどこからともなく、波の音。
その合間から、三線がポロンポロンと聴こえて来て、
ゆっくりメロディらしきものになっていく。
この曲は、、。
聴いたこともないくらいゆっくりの「十九の春」。
こんな枯れた「十九の春」もあるんやなー。
元々、小説みたいな歌やけど、
なんか映画観てるみたいな物語性を感じた。
「安里屋ユンタ」も、合いの手を入れられないくらい、
一人で完成されている。

出ました!ShinBowさんの沖縄方言使い分けコーナー。
違いも、意味も、よう分からんけど、おもろい!
ShinBowさんのライブは、独自の文化論も聴けて、それがまた興味深い。
ミクスチャーという立場で沖縄という土地に生まれたSinBowさんだからこそ、
感じられた話なのかもしれないなあ。

「ラストダンスは私に」の由来
へー!全然知らんかったー!泣きそうなええ話や。
ShinBowさんの「ラストダンス」は、
そんな哀しみを含んで、そのまま出してみたり、
奥に隠して笑ってみたり、唯一無二。
この話を聴いてからのこの歌は、
今までロマンチックとしか思っていなかった歌なのに、
こびりつくような、哀しくも愛おしい演奏として、心に残った。

二部は、「喜びも悲しみも幾年月」から。
わー!常吉さんも、よう歌ってた歌やー!
むちゃくちゃええ歌なんよなあ。

お!「十九の春」のメロディ違いかと思ったら、いつの間にか「黒の舟唄」に。
これも聴きたかったんよなー。
孤独で暗い歌だけど、寂しくはないのかもしれない。
結局、みんなそうなんだという
諦めにも似た覚悟みたいなものが、
ShinBowさんの演奏から漂ってきた。

おー!民謡酒場系への強烈なひとこと!
「沖縄の民謡酒場では民謡は聴けないさぁ(笑)」
そーそー!特に観光客相手のお店では。
沖縄民謡を歌ってても、そこにブルースがなければ、民謡ではない、
ワシがなんとなく思ってたことを言葉にしてくれて、
ありがとうございます!

ShinBowさんの、歌と生活と歴史と文化が一体となったステージは、
誰が近いか、敢えて言うとてるりんさんかもしれんなあ。
てるりんさんが亡くなって、そんなステージはもう観られないと思ってたので、
Shinbowさんのステージがすごく嬉しい。

「ちょんちょんキジムナー」、ShinBowさんの指示で、
みんなコップを叩き出す。
安っぽくてええパーカッション!

ShinBowさんの、頭よりも、体よりも、
心を、衝動を一番に思う姿勢、、
それを実践してることは、ほんますごい。
憧れる。

三部は琉球古典音楽から。
王朝と民衆の言葉や音楽の違いの話も面白かった。
同じこと言うにも、こんな違う。

「上を向いて歩こう」を
「アメリカから日本に来て、日本で流行って、アメリカに帰った歌」と言わはった。
なるほど。
世界中の人が世界中の言葉で歌ってる歌として「きらきら星」。
これもShinBowさんが歌うと、沖縄民謡、いやShinBow節になってしまう。

「ひとりの小さな手」で始まる「一人の手」、
元々はピート・シーガーの曲やけど、
黒人の団結するための歌やったらしい。
それでか、なんとなく聴いてて「We Shall Overcome」、
思い出したんよね。

ShinBowさんの無茶振りで、
ウノムンドの主人、やっさんがステージに上げられる。
「自分の店やのに、むっちゃアウェイ」やっさん名言!(笑)
やっさん歌うのは断固拒否、
なんか結局、ShinBowさんのの話の伴奏をやっさんがやることに(笑)

ブルースを含む民謡は、自分の中に向かって歌うもの、
人に受けるため、お金のために歌うのは違う。
いちいち頷く。
元々、人に聴かせるために、お金取るために歌う音楽の歴史は、
そんな昔のものではない。
自分の辛さを耐えるための歌や、労働歌の方が、ずっと歴史がある。

ShinBowさんがフッと歌い出した「ケ・セラ」に
やっさんがギターで伴奏を。

さっき木村充揮さんの話してたからな。
「ケ・セラ・セラ」の沖縄語訳をShinBowさんは「なんくるないさ」だと言う。
なるほど。
そして、それは、簡単に使う言葉やなくて、
やれること全部やって、やり尽くしたあとでしか、言うたらあかん言葉だと。
うむ。ほんまそうやと思う。
ある意味「南無阿弥陀仏」と同じ意味やな。

そしてクライマックス!「唐船ドーイ」〜「ちょんちょんキジムナー」、
そして「てぃんさぐぬ花」。
掛け値なしに美しい歌で、素晴らしい演奏だった。

今までの盛り上がりが、そのまま静かに会場に染み込んでいくようだ。
波が砂に染み込むように、心に沁み込んで行く。

ラストは「花」。
かすんで行く、最後の三線のひとこすりまで、
気持ちがこもってて、愛おしい。

やはりShinBowさんのライブは、得るものが多い。
言葉でなく、音楽や、空気から得るものも、
言葉で得るものもある。
「騙すのが嫌、媚び売るのも嫌、商売人ではなく、あきんどにならないとあかん。」
あきんどが動くのは、金のためではないってことか。

ほんまにええ時間を過ごさせて頂いた。
ありがとうございます。
またお待ちしてます。

ウノムンドのやっさんも、主催のエリさんもありがとうございました。

あ、あと、ShinBowさんご持参の海ぶどう、
今まで食ったことない美味さでビックリしました!
ありがとうございます!

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