モノクローム・セット@梅田クアトロ(表版)。
モノクロームセットのライブ行って来た。
メチャクチャ良かった。
往年の曲も、新曲も、どれも、モノクロームセットとしか言いようがない。
基本的にポップセンスもメロディセンスも凄いんだと思うんだけど、
パンク世代の血と、ビドのインドの血がそれだけでは、良しとしないのか。
気持ちのいいネオアコ風ギターポップももちろんあるが、
どこか、一癖も二癖も変態的。
レスターの弾く恐ろしくグルーヴ感のあるギターリズムを、
レスターも含め全員が平気でぶった切る。
ビドの不安定なボーカルが平凡を拒み、心地よい浮遊感を生む。
ところどころに東洋的なメロディーやリズムがのぞく。
どれを取っても「これがモノクロームセット!」
アンディー・ウォーホールが言った
「ベンチャーズとベルベットアンダーグラウンドを足して2で割ったみたいなサウンド」
という言葉は言い得て妙だと思う。
レスターのギターはときにホーンセクションのようにも聞こえ、
どの世界から拾って来たのか見当のつかない
不思議なリズムとリフを奏で始める。
全く自由自在だ。
改めて、モノクロームセットの音楽の骨格は
レスターのギターなんだな、と思う。
その変則的(変態的?)な音楽を支えるリズム隊。
ベースは創成期のメンバー、アンディー・ウォーレン、
ドラムは、スティーブ・ブルメル。
二人のバカテクが、どんなに変なリズムであろうと、
どれほど急に曲を止めようと、
育てて来たグルーヴ感を維持し続ける。
そして、ヘレナのエレクトリック・マンドリンとフィドルが、
さらに変態的な味を付け加える。
「ネオアコ」って言うと爽やかなイメージだが、
「これが爽やかなら、わしの方がもっと爽やかだ!」と
言いたくなるほどのひねて、上質なポップセンスだった。
ビドは病気の後遺症か、あまり動かない。
「微動だにせぬビド」という駄洒落を思い浮かべたのは、
さすがに50歳だ。
その50歳に、前の4バンドの時間も含め、4時間も立ったままを強いる
主催者とクアトロには、かなり文句がある、
いや、怒りを覚えるが、
20歳の頃の青春時代を思い出させてくれる回春ライブであった。
(怒りの部分は裏版で。)