古謝美佐子・UKULELE GYPSY@新歌舞伎座。

昨日は、上本町の新歌舞伎座に古謝美佐子さんとUKULELE GYPSYのライブを観に行ってきた。
あ、ちなみにUKULELE GYPSYは、モンゴル800のキヨサクさんのソロ・ユニット。

新歌舞伎座に行くのは、初めて。
感染対策、ビックリするほどキチンとされてた。
座席はもちろん、ひとつ飛ばし。
列もひとつ飛ばしのようで、ワシの後ろの列は誰も座ってない。

ググると、新歌舞伎座の座席数は1453、全席こんな感じで空けてるなら、
満席で400足らずか。
感染対策のためか、係員の数もやたら多いし、
ステージにかかる費用や、出演料や、交通費なんかもけっこうなもんだと思う。
なのに主催してくれる方や、この時期の大阪にわざわざ来てくださる出演者の方に心から感謝。
そして、その貴重なチケットを入手できた喜びを噛みしめる。
まあ、一番安いチケットで三階だったんやけど。

三階最前列で、見晴らしはええやろうけど、高所恐怖症のワシはちょっと不安だった。
席につくと、三階の座席から真下が見えないよう、エプロンみたいなのがついてて安心。
しかも、そのエプロンのおかげで、
ワシの席とステージの間には、何も見えるものがない。
こりゃええ眺めやわ。

さて、ステージ。
始まる前、場内放送でずっと波の音が聞こえていた。
ああ、心が沖縄に向かってしまう!
そして登場したのは、キヨサクさん。
ウクレレを持ったキヨサクさんと、
名前聞き取れなかったけどラップスティールの方の二人組のようだ。
有名曲「あなたに」が、別の曲のように聴こえる。
切なさは、元のまま、なんかホアンとした味が加わってて、気持ち良い。
この一曲で、一気に気持ちがリラックス。

勝手にウッドストックにキヨサクさん、出てたんや。

「このユニットでは、好きな歌を何でもやろうと決めてる」とやってくれた曲は、
「お嫁においで」、ブルーハーツが音楽やるきっかけだったらしく、
「ラブレター」や、めっちゃハワイアンな「キスしてほしい」。
実はモンゴル800の曲、有名なの以外、知らないので、
知ってる曲ばかりで、安心して、カラダ中から力抜いて、聴けたなあ。

さすが歌舞伎の舞台、奥行きが半端なく広く、客席の幅とあまり変わらないくらいありそう。
三階からだと、照明入ってないときは、ステージの床が見渡せて、
いろんなとこに「ばみり」があるのが見える。
これから、いろんな仕掛けがありそう。
ちょっと期待。

オリジナルは、ちょっと聴き齧ってたJTのシリーズCM「想うた」で、
これも、ジワ〜〜ンと抵抗なく心に入ってきた。いい気分や。

デビューのアルバムはたしか持ってたはずだけど、
そのあとは、あまり聴いてなかった。
そやけど、改めてワシ、キヨサクさんの声、けっこう好きなんやなあ、
と聴きながら、ぼんやり思ってた。
お客さんが静かなことに少し戸惑ってるMCも、なんかええ感じ。
いつもは、もっと賑やかなとこで歌ってるんやろうなあ。
で、大阪やから、もっと賑やかやと思ってたんやろうなあ。

そして、やはり、この歌は聴いておきたかった。
ワシでも知ってるヒット曲「小さな恋のうた」。
この曲をモチーフにした沖縄が舞台の映画がけっこう好きだったのもあったのだ。

そして、ラストの曲は「南の島へ行こう」。
ああ、ますます沖縄行きたくなるなあ。

と、目を瞑りながら聴いていたら、
別の声が聴こえてきた。
ん!この声は紛れもなく!!
と、目を開けて手すりに乗り出すと、
舞台袖から出てくる綺羅びやかな衣装の女性。
やっぱ、古謝美佐子さんや!
けど、あれ??髪の毛が、ショート?ほんで、パーマ??
声は確かに古謝美佐子さんやけど、、。

曲終わって、MCで、やっぱり古謝美佐子さんだとわかる。
次からは古謝さんのステージのようだ。
セットチェンジの間、ミーコねーねーとキヨサクさんのお喋り。
年の離れた友だちみたいで、楽しい。

休憩挟むと、トイレなどが混雑するかも、という感染対策の一貫のようだ。
お喋り聴けて嬉しいけど、トイレ行かなくて済むよう、
水分補給を控えようと決める。

さあ、そして古謝美佐子さんのステージ。
もちろん、佐原一哉さんも一緒だ。
ああ、この声だ。この演奏だ。
また聴けたことが、ただただ嬉しい。

おお!「ポメロイの山々」
三階だし、中途半端な近眼なので、顔まではよくわからない。
気持ちいいので目を瞑って聴こうとした瞬間、
なんか他の人が出てきたぞ。
あ、そうか、文楽人形の勘緑さんが友情出演って書いてあったな。
文楽人形の動き、その操演が面白くて、目を瞑ってなんていられなくなった。

古謝さんの声は、なんでこう心を落ち着かせてくれるのだろう。
ここしばらく、ずっと気にかかってることがあるのだが、
古謝さんの音楽を聴いてる間は、すっかりそのことを忘れてた。
ポメロイの山々の動画、文楽人形とのを上げたが、もうひとつ
アイルランドの至宝、チーフタンズとの共演も素晴らしいので、上げておきます。

古謝さん、佐原さんとのMCでは、もう天然そのもので、
髪を切った話もしてくれたのだが、どうも要領を得ない。
もう「さすがミーコねーねー」としか言えない外しっぷり。

だけど、ひとり語りで沖縄のことを語りだしてくれた。
降り積もるような沖縄の哀しみ、その哀しみが、
今も続いていること。
古謝さんの歌にもその思いが降り積もっているから、
古謝さんの歌は、心の奥深いところに、そっと入ってくるのだろう。
その話に続けて歌った「黒い雨」は、もう何も言えないくらいの絶品だった。
これも、勘緑さんと木偶舎との映像がありました。

勘緑さんと木偶舎の人形は、伝統的な人形浄瑠璃の衣装だけではないようで、
観ていて、前衛芸術のように思える時が何度かあった。
純粋に文楽って面白いなあ、と思った。
せっかく大阪に住んでるんだから、もう少し文楽観に行ったりしようかな。

さっき上げた動画では「黒い雨」に続けて演奏しているが、
この日も「アメイジング・グレイス」やってくれた。
これも圧巻だった。
もう古謝美佐子さんは「沖縄の」とか「沖縄民謡の」とかの枕詞なしで、
古謝美佐子として、世界中の人に知られるべき存在なんやなあ、と思う。
この「アメイジング・グレイス」を本場のアメリカの人に聴かせてみたい。
遠くてよく観えなかったけど、文楽人形は、
たぶんこの動画と同じ演技をしていたのだと思う。

やはり「童神」は聴いて帰りたい。
もっと他にも聴きたい曲あるけど、
古謝さん、名曲ばかりなので、そう贅沢も言えまい。
「童神」は佐原一哉さんと一緒の動画を。

たしか一曲、歌も三線もマイク無しでやったんだけど、
それがどの曲だったか思い出せない。
童神だったかなあ、違うような気もするけど。
その曲、お腹の底に、ズドンと響いて来たんだけどなあ。

アンコールも、キヨサクさん出てきて隙間なく始まる。
「きよしこの夜」と「お正月」。
もうその季節なのだなあ。
古謝さんとキヨサクさん、そして佐原さん、三人の優しさが伝わる選曲だ。
30年ぶりくらいに一度も沖縄に行けなかった年が、
もうすぐ終わるのだなあ。

2時間半ほど、休憩なしの分厚いライブだった。
ほんまにお腹いっぱいになるくらい美味しいもん頂いた。

帰りも、整然と混乱なく退場。
本当に感染対策が行き届いてる。
ユニクロとか観ながら帰らなあかんのは、なんだかなあ、
と思ったけど、感染対策で直通エレベーターの使用制限してるから、
仕方ないのかな。

今日は、ご近所のエリさんと来てて、
一緒に天満まで帰って飯喰おうか、と話ししてたのだが、
帰る途中、古謝さんの子守唄が効いてきたのか、
猛烈に眠くなってきた。
実は、ライブの途中でも、あんまり気持ちよくて、二三度、落ちてたのだが、
それがもう、たまらんレベルに達して、
エリさんに飯断って、家にたどり着き、しばらく倒れるように寝てたのであった。
古謝美佐子さんの子守唄、やっぱ凄いっす。

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