映画「標的」。

朝日新聞の元記者、慰安婦問題で、捏造記事を書いた、と言われ、
凄いバッシングの嵐にさらされた植村隆さんのドキュメンタリー映画「標的」。

まずは、植村さんのことに限らないバッシングはびこる
今の時代への違和感と居心地の悪さを感じる。
正義の名を借りて、匿名で、脅迫まがいのことを書く。
本人どころか家族まで、ネットに名前や写真を晒し、
殺害予告までしてしまう。
本人たちは、それを正義だと思ってるのか。
植村さんは、その人たちを卑怯者と呼ぶ。
ワシもそう思う。
こういう行為が、卑怯で、罰を受けるべき行為、恥ずべき行為だと、
世の中に知らしめる必要はあるんじゃないかなあ。

こんなの正義でもなんでもなく、ただの脅迫で、
ここに言論の自由を持ち込むのは、お門違いもいいところ。
これはれっきとした暴力で、しかも一番卑怯な暴力なのだ、
という認識が、社会に広まってほしい。

植村さんだけでなく、その後も多くの人が、
この暴力に苦しめられている。

そして、やはりこの問題の根幹である、慰安婦問題。
これに関しては、ワシは詳しく語るほど、知識はないのだが、
「なかった」とする人々、「挺身隊」という呼称だけで、
植村さんを捏造扱いする人たちの気持ちがよくわからない。
正式には挺身隊という言葉ではなかったかもしれないが
(被害者たちは、その言葉だと認識している)、
個人が自分の意に反して、その行為をさせられていた、
という事実は変わらないと思う。
前の自分の意見をコロッと入れ替えて、
櫻井某や西岡某が、枝葉末節で否定しても、
問題の根幹を変えることはできない。

いわば「捏造を捏造してる」ようにしか、
ワシには思えなかった。

「記憶されない歴史は繰り返される」。
これからの日本のために、日本が同じ過ちを繰り返さないために、
他の国が同じ過ちをしそうになった時、正しく諌めるために、
事実を事実として見つめ直す。
そこから日本の未来は開けていくのだと思う。
そこからしか開けないと思う。

話は少しずれるかもしれないが、どうも櫻井某や西岡某の狙いは、
植村さん個人ではなく、朝日新聞そのもののように思える。
そのために個人を槍玉に上げるのも、卑怯だなあ、と感じる。

最後、映画に顔出しした娘さんに拍手を送りたい。
強い決意がないと、できない行動だと思う。

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