新次元カニ「カニコーセン」@レインコート。

なんか鬼気迫るようなライブだった。
ちょっと時間経ってしまったが、
先週の金曜、十三レインコートでのカニコーセンワンマンライブ。

いつものように、笑いあり、ジーンとくる歌ありのライブなのだが、
笑いも、ジーンも、振り幅が格段にでかくなってる印象やった。
いつも以上に、笑ったり、揺すぶられたりしたして、
すごいライブやったのだが、
なんかカニくんが次元の違う手の届かないところに
行ってしまったかのような気持ちになって
少し寂しさまで感じてしまった。

まずはボーンインザUSAにのせて「こんにちは加古川」で、
華々しく、けど観客あっけに取られて、ちょい居心地悪い感じで始まる。

と思ったら「ベッドタウンブルー」や「播州平野に黄砂が降る」と
名曲で畳み掛ける。

笑いか、ジーンか、どっちから矢が飛んでくるのか。
今日は、油断ならんぞ、というムードが会場に満ちる。

小田和正さんをモチーフにキッツイ毒を吐くが、それを録音した子どもの声の歓声で中和する。
ええ方法、考えたなあ。
また、録音した女性ウィスパーボイスに「よかったね」と歌わせながら、
花*花のこじまさんが個人的にカニコーセンが好きだとつぶやいた話と、
そこから始まったカニ妄想をニヤニヤしながら語る(笑)

その勢いで、花*花の曲を架空デュエット。
こじまさんの立ち位置空けてる〜。
もちろん、花*花パートは録音です。

続いては、詳しい説明はセクハラになりそうで、できませんが、
人並み以上に濡れやすい話と、それに続く曲。
腹痛くて、曲に集中できん!

けど、カニコーセンの曲聴いてると、
可笑しさと哀しさって、本質的には同じものなのかも、
っていう気持ちが膨らんでくる。

録音した歓声も、
「どうせ拍手も歓声も、義務的に儀式的にやってるんやろ?」
というカニコーセン的アイロニー感じて来たんだが、どうなんやろ。

森田療法とビートルズの接点を見つけたのは
慧眼やなあと思いながら、「あるがままに」を聴く。

一部最後は「昨日のままで」。
この流れでカニくんに言われると、なんだか説得力あるし、
ホッとしてしまうなあ。

二部は、さらに凄かった。
怒涛の名曲ラッシュ。
「人間になれた」、なんか怖いくらい尖ってる。
けどズシーンと入ってくる。

「ミルクマン・オブ・ヒューマン・サッドネス」も悲しい名曲やなあ。

続いては「浜辺のくらし」ほんまカニコーセン、ええメロデイ書くなあ。。
この曲は工藤裕次郎くんもカバーしてるらしい。
それも聴いてみたいなあ。

そのラッシュの中でもひときわ迫って来て、
胸どころか涙腺まで揺さぶるのが「インクライン」やな。

そのままクライマックスに突入して
「酔いがさめたらうちへ帰ろう」では手拍子が出る。
これも悲しい曲なんやけど、
なんか少し前向きな姿勢があって、
助けられたような気分になる。

ゴッホの耳の出てくる歌、なんて題名だっけ。
ちょっと春っぽくて、ある意味えぐい歌詞なのに、
ホッとする。

最後は、編笠取って、サングラス外して、法被脱いで、
素のカニくんになって「全部自分」(タイトルこれでええのかな?)
ようできてるな。
これも笑うけど、なんか哀しさもありながら、
最後は「ええやん、そのまんまで」って、
励まされてる気分にもなる歌やな。
カニくんの歌は、高所から「元気出せよ」とか
「頑張れよ」とか言うんではなく、
カニくん自身が、もっと苦しい場所から、
生きようと、もがいてるから、元気が出てくるんやな。

けど、アンコールの手拍子まで録音してるんや(笑)
ほんま、お見事。

ゆるゆるで隙はあるものの、
無駄な要素のない、
ちょっと怖いぐらいのええライブでした。

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