ただただ愛おしい。映画「シェイン 世界が愛する厄介者のうた」。
先週金曜、「シェイン 世界が愛する厄介者のうた」を観てきた。
酔いどれで薬中、若い頃にシンナーやり過ぎたのか、
歯は一本もなく(現在は入れたらしい)、
繊細で、扱いにくく、人に合わすことを知らない。
独特の引き笑い。
どこを取っても、付き合うの、御免被りたい輩だが、
愛おしくて堪らない。
歌詞は、ワシ的にはボブ・ディラン以上に文学的やと思うし、
アイルランド民謡をベースにした激しい音楽で、
「アイリッシュパンク」というジャンルを確立してしまった。
シェインがボーカル&ソングライティングしてて、
なのに、酔っ払いすぎて、馘になったポーグスは、
いつでも、どんな時でも、聴けば心躍って、ドキドキする
ワシの命綱みたいなバンドである。
ワシはポーグス時代、来日公演に行ったんやけど、
シェインが酔っ払いすぎて、ステージに立てず、
当時ポーグスのプロデューサーだったジョー・ストラマーが代役に立ったことがある。
それはそれで嬉しかったんやけど、
やっぱり、シェイン本人も観たかったなあ。
そして、この映画、
ワシのようにシェインをこよなく愛する人は世界にたくさんいるんやなあ、
ということを感じて嬉しくなるくらい、
シェイン愛に溢れる映画だった。
みんな、その才能だけでなく、人柄も含めて、愛おしいのだろう。
監督のジュリアン・テンプルも、プロデューサーのジョニー・デップも、
インタビューに応える家族も、観客も、ボノやシネイド・オコナーも。
予告編も最後シェインのあの笑い声でしめるとこなんて、
シェイン愛が、強烈に滲み出てる。
「世界が愛する厄介者のうた」というサブタイトルにも、
うんうん!!とうなずいてしまう。
この映画、観てる途中から、一番好きな歌ってわけではないのだけど、
なぜか、「この映画の最後はあの歌がええなあ」思いながら観てた。
そのこともあって、ラストのシーンで、
車椅子に乗ったシェインが、その歌を歌い始めると、
映画の観客同様、抑えられなくなり、
ポケットから手拭いを引っ張り出した。
どんだけボロボロだろうと、シェインが生きて、歌ってくれてるだけで、嬉しい。
ちなみに次の日、西成に出かけたのだけど、
まだ映画観たときの気持ち、引きずっていたのか、
町におるおっさんがみんなシェインに見えた。
シェイン、大阪来たら、
西成が一番気にいるんちゃうやろか。
昔出たやはりシェインのドキュメンタリー映画「シェイン-ザ・ポーグス:堕ちた天使の詩」も、
いい映画でした。
これは、もう少しプライベートのシェインに寄せたみたいな感じかな。
こっちも観返してみようと思う。