香港を舞台に、世界のあり方を問うドキュメンタリー映画「Blue Island 憂鬱之島」。

ドキュメンタリー映画「Blue Island 憂鬱之島」を観た。
今の香港を表すために、過去に遡る複雑な構成の映画だった。

文化大革命のとき、中国から香港に泳いで渡った夫婦、
天安門事件で、香港から学生を支援するため、北京に向かった当時の学生、
六七暴動(文化大革命の影響を受けた香港左翼が、
1967年、香港政府に対して起こした暴動)のとき運動した左派、
それぞれ実在の人物、本人たちと、当時の彼らを演じる劇中劇、
その劇中劇に出演する若者たち、
そして、それらすべての人たちが、
今、どんどん自由が失われていく香港で、
何を考え、どう生きているか、どう生きようとしてるか。

まとめると、すごく複雑な感じになってしまうが、
観てる分には、そのストレスはあまり感じなかった。

テーマがしっかりしてるからだろう。
世代が変わろうと、香港の人たちが、どれほど香港を愛し、
香港の自由を尊んでいるかが、
ジワジワ伝わってくる。
今現在を含めて4つの時代が交錯するし、
中国政府が戦う相手だったり、
中国政府にシンパシーを持ち、イギリス政府と戦ったりと、
時代的にも、思想的にも、違った人々を描いているのだが、
根底に流れてるのは、彼らの持つ香港への愛情、
自由の渇望なんじゃないか、と思う。

ちなみに彼らは、今現在も香港で、牢内で、亡命先で、
活動中のようだ。

そして、あのとき、香港に泳いで渡った方は、
あの日以来、今も、どんな天気でも、
ビクトリア・ハーバーで泳ぐことを習慣にしている。
それがこのポスターのビジュアルだ。

観てるうちに、次第に沖縄が、今の日本が重なってくる。
民主主義は、決して安定したものでもないし、
最終的な政治形態でもないかもしれないが、
こうやって、本気で戦い、守り抜くべきものなのだ、
という気持ちが、湧き起こってくる。
「お上が正しい」なんて、誰が決めたのだろう。
その正しいはずの、それぞれの国のお上が、
いまだに戦争を止められない現状を、どう説明できるのだろう。

国より、お上より、主義主張より、
何より、一番大切なのは、
一人一人が、自分の好きな場所で、
自由に自分の心に従って、
幸せを追求できることなのだな、と、
自分の心の底にある考えを確認することができた。

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