橋本ヒネモスのBBBムービーvol.4「グッバイバッドマガジンズ」「ヒトラーのための虐殺会議」「THE FIRST SLAM DUNK」「ファミリア」「よりそう花ゝ」。

「グッドバイ、バッドマガジンズ」。

※否定的な内容を含みます。
この映画が好きな方はスルーしてください。

う〜〜〜ん。
積み残しの多い映画やなあ、という印象。
観終わった後のスッキリしない感が半端ない。
バッドエンドとは言わないまでも、
それほどハッピーエンドではないことは、別に構わないんだけど。
なんか行儀悪い人たちが、帰った後のフェスの会場みたいに、
なんかいろんなもんが散乱してる印象。

結局、主人公はエロ本の編集者ってことに興味を持ったようにも思えないし、
努力してスキルを獲得したようにも思えない。

先細って行くエロ本業界って、モチーフは面白いと思って、
それで観に行ったんやけど、
ドキュメンタリーで観たかったなあ、というのが正直なところかな。

「ヒトラーのための虐殺会議」。

観たくない映画だった。
けど、観なくちゃあかん映画だった。
ユダヤ人の処遇をめぐるナチス幹部たちの会議。
アウシュビッツのガス室での絶滅政策、ホロコースト。
反対する人もいるのだけど、
それは労働力などの物理的に可能かどうかとか、法的手続きとか、
その行為に携わるものの精神的健康とかの問題で、
ユダヤ人の撲滅自体に反対する人は、一人もいない。

600万人以上の犠牲者を出したこの会議が、
明るくなってから始まり、明るいうちに終わる。
反対していたものも、最終的には満足げな表情で解散する。
悪魔としか思えないこの会議が、彼らの信じる正義のために行われている。
人間は、こんなに残酷になれるのか。
だけど、きっと彼らは、そんなに悪人でもなく、頭の悪い人たちでもない。
「凡庸な悪」を産む、人間の恐ろしさを頭に刻んでおかなければならないと思った。
この史上最高に愚かな行為を、歴史に刻んで、
二度と轍を踏まないための教訓にしなければ、
人間の進歩はないのだろう。

「THE FIRST SLAM DUNK」。

髪の毛切って、ほぼ赤いとこなくなったので、
「今がチャンス!」とスラムダンク観て来た。
真っ赤な頭だと「ちょっと痛いくらいの花道ファン」と
思われるからね。

実はワシ、単行本コンプリートしてて、何度も読み返してる派。
今まで誰ファンってこともなかったけど、
映画版、まさかの沖縄が始まり。まさかのりょーちん主役級。
沖縄好きのりょーちんとしては、
りょーちんファンにならざるを得ない。

結果知ってるのに、号泣しながら、
湘北に心で声援送ってました。

漫画にはないエピソードもあれこれ出てくるし、
井上雅彦さんが脚本、演出も手掛けてるし、
原作漫画ファンも安心して楽しめると思います。

最初、土日に行こうと思ってたんやけど、
満席に近かったんで、平日17時50分くらいからのに行ったら、
大きな劇場に10数人くらいで、ゆったり観られました。

「ファミリア」。

※否定的な内容を含みます。
この映画が好きな方はスルーしてください。
多少のネタバレあり。

役者の芝居もいい。題材もいい。
けど納得行かん映画やったなあ。

脚本は、それなりにしっかりしてるんやろうけど、
外国人労働者問題や差別問題、二世のアイデンティティや、
家族の在り方など、現代っぽい問題をモチーフにしながら、
結局は暴力に暴力で向かい、
最後は公権力に解決してもらう。
その構造って、ひとことで言うと、勧善懲悪で、
古臭い時代劇となんら変わらんなあ、と思った。

誰よりも救われてないのは、半グレのリーダーやけど、
それは悪やから救わんでええってことか?
彼も家族への愛で、自分を失った一人やと思うんやけど。
その辺も、時代劇っぽい気がするなあ。
せめて、彼が救われる兆しだけでも見せてほしかったな。

そういう勧善懲悪の映画を創った、というんなら、それでもええけど、
変に社会派な装い、せんといて欲しいなあ、と思いました。

「よりそう花ゝ」。

ちょっと地味な印象なので、観に行くか迷ったけど、
行ってほんまによかった。
地味でも、こじんまりしてても、
こういう映画を好きで、観に行く人間でありたいと思った。

人間は、小さくて、無力で、みじめかもしれないけど、
どんな小さな世界でも、互いを思いやる気持ちがあり、
自分の幸せを諦めずに追いかける気持ちがある限り、
幸せになれるのかもしれない。

分かりやすすぎるハッピーエンドではなく、
その状況での、小さなほっこりで満たされたウォーミーエンドなのも、
この映画らしいストイックさがあって良かった。

音楽、むっちゃモリコーネなのに、少し韓国っぽい味があるのも、
なんかクスッと嬉しかった。

めっちゃ誰かにオススメしたい映画だった。

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