そして彼らは演劇と出会い、仲間と出会い、恩師と出会った。BBBムービー、泣き③「走れ!走れ走れメロス」「メロスたち」。

泣き映画三連発の最後は、この二つの映画。

公式サイト

前編の「走れ!走れ走れメロス」。
鳥取県に次いで、2番目に人口の少ない島根県、
その中でも一番生徒数が少ない高校で、
演劇を始める四人の生徒と、その先生の物語。
どちらかと言うと、劣等感や生きにくさを抱える高校生が、
演劇と出会い、のめり込み、
他校とのレベルの違いに驚き、
それでも、先生と一緒に、信じるものに突き進んでいく。

青春もの好きのワシには、それだけでも、ドキドキする映画なのだが、
一人一人の少年たちの、心の動きが、不器用だけど、真っ直ぐで、
観てるうちに、自分の子どもたちのような気がしてきて(子どもおらんけど)、
なんとか手助けしたいような、
なのに、手が出せないような、
もどかしい気持ちになってきて、
結果、泣くしかなかったような気持ちになった。

後編の「メロスたち」では、あれほど一致団結してた仲間たちが、
卒業、受験という人生の岐路で、別々の道を選ぶ様を描く。
その中で一人、演劇に行くべき道を見つけた​曽田昇吾くんを中心に物語が展開する。
みんながみんな、演劇とともに生きていけるわけがない。
自分自身も、演劇で一生を過ごせる保証もない。
だけど、やっぱり一緒にやりたい。
一緒に演劇をやった、あの時のことが、忘れられない。
だけど、新しい進路に努力する仲間に、
「戻れ」と言う訳にはいかない。
それは人から自分が「演劇をやめろ」と言われるのに近い。
葛藤しながらも、自分の進路のために、
劇団を受験する​曽田くんの気持ちに同調してしまって、
切なくて仕方なくなった。
だけど、その葛藤があったからこそ、
彼は、「自分の進む道は演劇だ」と、
決意できたような気もする。
やっぱり仲間は大切なのだなあ。

確かに曽田くんは、「走れ!走れ走れメロス」の時から、
芝居のうまさでは群を抜いていたし、
かける気持ちの強さが、ほとばしっていたので、
「この子は一生、芝居から離れられなくなるかもな」という予感はあった。
曽田くんが、この高校に進み、演劇と出会い、仲間と出会い、
亀尾先生に導かれたのは、運命としか言いようがない。
よかったなあ、曽田くん。

他の仲間も、演劇の道には進まないにしろ、
あの記憶は強烈だったようで、
卒業を前に、もう一度、みんなが揃う機会がやってくる。
なんか観てて、むっちゃホッとする機会だった。
よく、ドキュメンタリー映画で、
こんな願ってもない機会が来たものだ。
常松くん、石飛くん、佐藤くん、仲間たちの決心に、
ただの観客ながら感謝する。

現段階では、曽田くんですら、一生演劇を続けていくのかわからないけど、
彼らが、演劇を通してしか、逢えなかった、一生の仲間に逢えたことは、
変えようのない事実だ。
映画でも言ってたけど、いつか、また集まって、
亀尾先生の演出でのお芝居をやってほしい。
その時は、生で、そのお芝居を観てみたいと思う。

そのためにも、曽田昇吾という人間を、
贔屓の役者として、見つめていきたいと思っている。
まずは、曽田くんの芝居を、生で観る機会を楽しみにしている。

【追記】
サキタハジメさんの投稿で思い出した。

そうそう!!芝居の映像と、高校生たちのリアルな人生の行ったり来たりが、
シンクロしてて、「編集が素晴らしいなあ!」と思ったのでした。

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