「何か方法あるなら、言ってみろよ」と言われてるかのよう。安易にハッピーで終わらせない深さ。BBBムービー「システム・クラッシャー」。
※多少、ネタバレあり。
要は、トラウマが原因で、こんな風に自分で自分の行動を抑制できない子がおりました。
周りのみんなは、この子に手を焼きますが、
そこに一人、この子と向き合う男が出てきました。
けど、その男も最終的には、お手上げになってしまいます。
おしまい。
というお話で、結局、この子は、物語中では、変われないままなのだが、
そこに、安易にハッピーエンドにできない、
こういう問題の根深さを感じた。

どこまで社会がネットを張っても、
そこからこぼれ落ちてしまう人間はいるのだろう。
「誰一人、取りこぼさない」という言葉が、
流行語のようになってしまっているけど、
その言葉は、こういう子どものことまで、
覚悟して発せられたものなのかどうか、
ということを、この映画は突きつけているように思った。
「次こそ」「次こそ」と思いながら観るのだけど、
結局は、、。
そして、そういう子だからこそ、母親への、
周りの自分を理解してくれようとする人への愛情が強くて、
それが、余計に悲しくなる。
だけど、この子役の演技が素晴らしいからか、
何か観てて、グイグイこの子に惹きつけられていくのだ。
どうやったら、この子が、このこのままで、
社会と折り合いをつけて、幸せになれるのか、
皆目わからないけれど、
「いつか、この子にも幸せが訪れますように」と、
祈るような気持ちで、ラストのシーンを反芻していた。
エンディングにかかる、ニーナ・シモンの
「Ain’t Got No I ,Got Life」は音的にも、歌詞の意味的にも、
他に考えられないくらい映画にピッタリだった。