予備知識ゼロで観たかった気もしました。BBBムービー「関心領域」。
絶対観よう、と思ってたんやけど、
重い感じやし、けっこう混んでるみたいなんで、
躊躇してた関心領域、やっと観に行った。
平日の18時半くらいからの上映やったけど、
ほぼ満席。
やはり注目されてる映画なんやなあ。
やっぱり観るべき映画やったなあ、と思ったものの、
設定が、凄すぎるので、
予告編観ただけで、観る前から、
半分くらいは観たような気持ちになってしまっていた。
なんの予備知識もなしに観たかったなあ、と少し思った。
どうしても出落ち感があるんやけど、
この設定知らなかったら、観にも来なかったやろうしなあ。
う〜〜む、難しいところやなあ。
もし、予告編も観てない方、ぜひ何も調べず、
まっさらな気持ちで観てみてください。
※ここから、ややネタバレあり。
けど、幸せな家族の描写の裏で、殺伐とした音が聴こえてきたり、
不穏なムードは、ずっと漂っているのでした。
で、「出落ち感あるけど、どうやって2時間持たせるんやろか」ってとこは、
娘が不眠症になったり、兄が弟をガス室のように温室に閉じ込めたり、
幸せな家族にも、やはりすぐ隣で行われている狂気が染み込んでいき、
観てるものにも、真綿を締め付けるように、毒が回っていくようで、
アウシュビッツの恐ろしさを、直接的な描写以上に感じるのでありました。
で、その家族の中でも、一番毒を直接食らってる、軍人のお父さん。
離れた場所から、家族の元へ帰れるのは、嬉しいのだが、
それが、あの場所だと思うと、体は拒否してるのか、、。
ここ、ちょっと「アクト・オブ・キリング」思い出しました。
ラストシーンは秀逸でした。
これが、ナチスの時代の負の遺物ってだけではなく、
今も続いてる無関心の怖さ、ということを
雄弁に物語ってました。
同じような狂気が、今も溢れていて、
情報が発達した分、ワシらはそれを知りながら、
普段、そのことを気にせず、笑いながら生活してる。
ワシらは、あの家族と何も変わらないのではないか。
つまり、あの家族同様、ワシらにも知らず知らず、毒が回ってきてるのではないか、
そんなこと、考えてしまいました。
あと、エンドロールの音楽、凄まじかった。
叫び声のようなボーカルと、アナログ楽器のミニマルミュージックって感じで、
音楽としても、カッコええし、
映画の内容にも、すごいあってる気がしました。
自分の想像力も、いろいろ動かさないと、
ただの幸せな家庭の描写に見えてしまうかもしれない、
ある意味、双方向性の映画なんかもしれんなあ、思いました。