自分が大切な人と自然に自分でいられる場所。BBBムービー「DitO ディト」。

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最近、なんだか離れて暮らしてた父と娘が再会して、
関係を作り直す、家族再生の映画を観る機会が多いんやけど、
なんか社会的な理由があるんやろか。

これもそんな映画。
日本人が主役の映画だけど、
舞台は、ほぼフィリピン。

地味だけど、ストーリーも人物の感情も、
丁寧に作られた、ええ映画やなあ。

舞台をフィリピンにした意味もよくわかった。
自分が、自分でいられる場所は、
みんながみんな、生まれ育った場所ではないのかもしれない。
そこが、日本の知らない土地であろうと、
誰も知る人のいない外国であろうと、
自分さえ納得できれば、いい。

だけど、そこに一人で生きていくのと、
本当に心が繋がってる人と生きていくのとでは、
大きく違うのだろう。

フィリピンという場所を居場所にした主人公が、
ただ漫然と生きてきたかのような日々だったのが、
娘が登場すると、少しずつ、何かが変わっていく。
止まっていた時計が動き出すかのように。

娘にしても、ほぼ記憶にない父と過ごす時間が、
その記憶をも呼び覚まして、
他でもない、この場所、
父のいるこの場所が、
自分の居場所になっていく。

父が日本に帰らなかった理由や、
娘が日本からフィリピンに来た理由は、
明確には語られてない気もするが、
それは、この映画では重要ではない気がした。

今、この時、二人が、二人でいるこの場所、
お互いに、自然に自分でいられるこの場所を見つけたなら、
それでいいのだろう。

試合の結果は、ちょっと「ええ?」って思ったけど、
後から考えると、その方がリアリティがあって、ええよな。

観終わってから思うと、
観てる時は「小汚い」と思ってた、
雑然としたフィリピンの町が、
ものすごくカラフルで美しく思えた。

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