映画「エッシャー通りの赤いポスト」。

園子温さんが、インディーズ映画を撮った、と言うので
観てきたのは、エッシャー通りの赤いポスト」。

エキストラの一人一人にスポットライトを当てるような群像劇。
現代の有名人中心、商業活動としての面が強調され過ぎた映画産業に物申す
監督園子温さんの叫びみたいな映画かもしれない。

ストーリーとしては、映画制作に際し、無名の一般人オーディションをして、
映画制作に取り組もうとするのだが、
スポンサーの横槍で有名俳優を起用せざるを得なくなって、、って話。

実際園子温さんがワークショップしながら無名俳優を起用して行ったらしく、
映画と実際が入り混じってくるような構造がおもしろい。

インディーズということもあって、一見、園子温さんらしくない気もしたけど、
いらんもん、削ぎ落として、園子温さんの根っこを掘り下げていくと、
こういうもんなんかもしれん、と思ったりもしました。

※ここからちょっとネタバレ

最後のはちゃめちゃシーン、それなりにカタルシスありました。
けど、やっぱりなんか少しお行儀良く感じてしまったなあ。
山本政志さんの「脳天パラダイス」の
どこに向かうか、どう収集するのか、何も考えてないような。
圧倒的なワケのわからんエネルギーに比べると、
あくまで「映画産業」という枠があって、それを少しはみ出してみる、
というスケールのはちゃめちゃさに思えてしまった。

けど、園子温監督が、この映画を創る、ということに意味がある気がする。
でかくなり過ぎて、忖度でぐるぐる巻きにされてるような日本の映画産業
(あくまでワシのイメージです。)に、
有名監督の側から、風穴を開けようとする戦う姿勢に拍手を贈りたいと思う。
(なんか偉そうで、すみません)

最後にひとつ。
「エッシャー通りの赤いポスト」ってタイトルはどうやろう。
最後まで、このポストが、大事な意味を持ってるとは思えなかった。
現代なのに「あくまで郵送でしかオーディションを受け付けない」という設定も
あまり重要とは思えなかったので、
そこでタイトルつけられてもなあ、と少し思いました。
ワシがわかってないだけかもしれんけど。

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