橋本ヒネモスのBBBムービーvol.6「シャドウプレイ」「夢の裏側」「母の聖戦」「丸木舟とUFO」。

「シャドウプレイ」。

なんかストーリーだけ抜き出すと、
ようある犯罪ミステリーみたいにも思えるんやけど、
そこに中国、香港、台湾の状況が絡んできたり、
映像もスタイリッシュだったりして、
えらい、ハラハラドキドキするかっこええ映画に仕上がってた。
時間の前後も激しくて、多少ついて行くのに苦労したけど、
それもかっこよさの一要素になってると思う。

こんな洒落こいた映画が中国作品ってのが、ビックリするなあ。
ワシの中国への意識がアップデートできてないかもしれんけど。

けど、撮影〜制作に約一年、そのあと当局とのやりとりに
2年かかったってのは、さすが中国やなあ、とも思う。
そこをかいくぐっての、中国ノワール、とでも言えそうな、
犯罪エンターテイメント、お見事です。
最後のどんでん返しは、予想ついちゃったんですけどね。

手持ち多用で、誰の主観か分からん映像も、カッコええんやろうけど、
最弱とも言われる三半規管を持つ男(ワシです)には、
けっこう辛くて、
途中、何度か目を瞑って、音だけで、鑑賞してしまいました。
すんません。

「夢の裏側」。

その「シャドウプレイ」のメイキングドキュメンタリー。
「ああ!メイクは、ほぼスッピンとか、ロケハンもこういうところ選んだり、
こういうリアルさにこだわりながら作ってるんやあ。
だからスタイリッシュでも、浮いちゃわないんやあ」と、
なんとなくロウ・イエ監督の映画制作の秘密の一端に少し触れられたような気がする。

上でも書いた当局のチェックの厳しさにキレそうになる監督。
その気持ち、少しは分かるなあ。
ずいぶん、環境は違うけど、CMバンバン制作してた時代のこと思い出して、
ちょっと嬉しかったです。
そういう意味では「遊撃/映画監督 中島貞夫」を
観たときと少し共通する気持ちを抱きました。

ロケ地の広州市の高層ビルに囲まれたドヤ街みたいな地域、
「ああ!大阪駅の前も、ワシが社会人なった頃は、こんな感じやったなあ」
と少し、懐かしかったです。
場末好きのワシとしては、たまらんロケーションでした。

「母の聖戦」。

最初から最後まで、緊張感のあるシーンしかない。
ちょっと過剰、過ぎるほど、救いようがない。
被害者はもちろん、その家族にも、周りの人にも。
加害者ですら。
それほど彼の国の現状って、凄まじいのか。
メキシコの誘拐ビジネスがテーマの映画。

目を背けたくなるようなシーンの連続だが、
背けられない強さがあり、
背けちゃいけない、と誰かに言われてるような、
リアリティと説得力がある。

なんだか観終わったあと、ぼ〜〜っとして、
現実に戻るのに、少し時間がかかってしまった。

おすすめしたい映画だけど、
相当の覚悟持って行かないと、
ぶっ飛ばされそうな映画でもあります。

「丸木舟とUFO」。

石垣島の限界集落で撮った映画ってことで、
ややタイトルが気になったが観に行った。
「ベントラー!」とか言い出さなかったので、
ホッとした。

移住してサバニなど木造の船作って、
農作業もしながら、そんなに裕福ではないかもしれないけど、
明るく暮らす家族。
こういうの観るたびに「こっちの方が正しいよなー」とは思う。
ワシには、とても飛び込む勇気ないけど。

村のおじいたちも、穏やかでええ感じ。
不思議とおばあは、ほぼ出てこなかったんやないかな?
高校卒業で就職決まってた息子も、
ちょうど2020年3月というドンピシャの時期に卒業で、
いろいろあって、船造りを手伝っている。

しっかりと地域に根付いた、のんびり温かな時間が、淡々と過ぎる。
映画の中で、大きな出来事は何もない。

それだけに、なぜ制作者が、この映画を撮ろうと思ったのか、
わからんっちゃ、わからん映画でもありました。
こういう映画の「ここでクランクアップ」ってのは、
どうやって決めるんやろ。
気持ちいい映画であることは、間違いないんですが。

それにしても、このタイトル、やっぱり誤解するよな。

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