橋本ヒネモスのBBBムービーvol.9「新生ロシア」「ベイウォーク」「彼女は夢で踊る」。

「新生ロシア」。

1991年、ソ連8月クーデターが失敗に終わり、市民が共産党と決別するまでの
レニングラード(現サンクトペテルブルク)の町の様子を
ナレーションもなく、淡々と写したドキュメンタリー映画。

なんの説明もないのに、映像が雄弁に物語る。
最初は、戸惑いや混乱、罠を恐れているのか疑心暗鬼な人が多いのだが、
情報が入ってくる、クーデターの失敗が進んでいくと、
次第に熱を帯びてくる町の人々。
ロシアの内部から、ロシアの人々の姿を撮ったソ連崩壊の映像って、
あまり観たことなかったので、新鮮だった。
夜の町で、ワシの好きなウラジーミル・ヴィソツキイの曲を歌ってる人もいて、
「ああ、この国でも、この歌を愛する人、抵抗のシンボルとする人はおるんやな」と
なんだかホッとしつつ、嬉しくなった。
ロシアの人も普通に自由を求める、ワシと全然変わらんとこもある人たちが多いんよな。

こんな経験を経た上で、今のロシアの人々が、
戦争のこと、どう思ってるのか、ほんまのところを知りたい。

「ベイウォーカー」。

前に観た映画「なれのはて」の続編のような映画。

今回は、二人のフィリピンで暮らす日本人のおっさんにフォーカスを当てる。
一人はたまたまフィリピンに来て、騙されて帰れなくなった路上生活者、
一人は、老後を物価の安いフィリピンで過ごそうと
タワーマンションに住む一人もんのおっさん。

立場はずいぶん違うんやけど、
それぞれに抱える孤独や、葛藤は、なにか近いものがあるような気がした。
個人的には、人を信じられず、次第にマンションに籠る人より、
フィリピンの人たちに馴染み、助け合いながら(ほぼ助けられながらだけど)、
路上生活を送る人の方が、幸せに思えた。
羨ましい、というのとは少し違う気持ちだが。

ワシは、やはり最後まで日本で過ごしたいなあ、とこの映画を観て実感する。

「なれのはて」と合わせて観るのが、ええと思います。

「彼女は夢で踊る」。

先日観た「愚か者のブルース」と同じく、かつて広島にあった
第一劇場というストリップ劇場の閉館をテーマにした映画。

映画のメイン舞台も同じ場所、役者も共通の人おって、
同じように湿り気のある話やのに、
こっちはかなり感情移入できた。

登場人物の哀しみや、現実とファンタジーが入り混じるストーリーも、
ストリップの舞台とシンクロしてて、
ようできた脚本やなあ、と思った。

青年時代の主人公と、おっさんになった主人公が、
同一人物になかなか思えなかったのが、
難点と言えば、難点か(笑)

「愚か者のブルース」で、なんだかガックリしてたので、
シックリできた、この映画観て、ほんま良かった。

ゴトウイズミさんがチラッと出演されてた。
出てはるの知らんかったんで、見つけた時、
なんかすげえ嬉しかった。

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