アマフェス2023当日(11月4日)。

朝6時過ぎには目が醒める。
まあ、前日9時頃寝てるんやから、そらそうか。
けど、いつもは6時間くらい寝て、
二回くらいトイレ行くのに、
この日は一回だけやったなあ。
眠りが深かったのか。
どちらにしろ、ええ朝や。

天気予報は、あまり良くないが、
窓から外を見ると青空が覗いてる。
このまま、なんとか持ってくれ!天気予報外れてくれ!

朝飯は、美味かった。
久しぶりにガッツリの、民宿朝飯。
一夜干しが美味かったなあ。
やっぱり魚食いたい衝動が強いんやろな。
朝から、ご飯お代わりなんて、滅多にせんのに、
するするとしてしまったのは、
美味いのんと、
気持ちが、少し昂ってるのんとかな。

食い過ぎたかも、と腹ごなしの散歩。
すぐ近くに海のある幸せ。

鳥の鳴き声と、風の音、波の音だけの世界。
波の音も、すごく小さい。
ここは、島に囲まれた内海なので、
波がほとんどない。
琵琶湖の方が、波が荒いくらいだ。

なぜか季節外れの鶯が、
オリジナリティ溢れる声で啼く。
春から啼き続けて、彼独自の進化を遂げたのだろうか。
もうすぐ冬やで。
今から恋が成就しても、子ども育てられるんかい?

一番の船が汽笛を残して、
港を出る。

世はこともなし。
ええ朝や。

やることもないので、ちょっと早いけど、
歩いて30分くらいだという会場の隠岐神社を目指す。
パーカーを着てると少し暑いくらいの、ええ気候。
「もう少し歩いたら、携帯まで売ってる本屋があったような気がするなあ」
思ってたら、あ、ほんまにあった!!

自分の海馬に全く自信をなくして久しいので、
これは嬉しい。
あ、けど、昔のことほど、覚えてるって言うもんな。
もしかしたら、それか?

ここまで行くと、なかむら旅館はすぐのはず。
行く途中にエディオンもあったはず!
両方、あった!
ワシの海馬、三連勝!(何に?)

しかし、ここに来るまでにガソリンスタンド3軒あって、
エディオンもあるのに、コンビニがないんやなあ。
船の便数とかの問題かもしれんんけど、
なんとなく、この島は、それでええのかもしれん、と思った。
島の人が、それで満足してるなら、それは贅沢な暮らしかもしれん。

前回なかむら旅館に来たのは、もう6年前やったようだ。
あの時も、あほほどおもろかった。
そして、やっぱり「豊かな場所や」と思った。

なかむら旅館の隣の何でも屋さんみたいなところから、
なかむら旅館の従業員の方が走って出てきた。
確か、播磨町で会った瀬脇くん。

まさに開場、直前のタイミング。
準備に忙しいんやろな。
今、隠岐神社で、イベント始まる前の神事をやってる、と聞く。
そんなんから始めるんや!ほんまお祭りやな。

なかむら旅館から隠岐神社はすぐ。

その隣が、会場のようだ。

あれ?いつの間に雲、こんな出てきたんやろ?

「まずは、お参り」と本殿に行くまでの間に、とうとう降り出した。
なんとなく、このおどろおどろしい黒い空、
後鳥羽上皇のお気持ちが反映してるような気がして、
ちょっと怖くなる。

本殿では、神主さんが祝詞を詠んでおられた。
これが開催の神事か。
あ、なかむら旅館のテツさんおる!
あれ、その隣に良元優作くんもおる!
なんでやねん(笑)

境内には、ちゃんと土俵もある。
正しい神社やなあ。

車止めもかわいいぞ!

会場観て回る。
ポスターのフレーズにキュンとする。
「離島の高校生がフェスやりたいなんて、無敵の理由だ」

今の高校生たちは、コロナ以後の入学。
制限された高校生活しか知らない。
5年前にあったという彼らからしたら、
伝説のような祭りを復活させたいと、
高校生が起点になって、今回のアマフェスは開催されたらしい。
ほんま、無敵の理由やなあ。
これを断れるような大人でなんて、
ありたくないもんなあ。

さあ、一個目のプログラムは、もち投げだ。
何から何まで、なんて正しいお祭りなんやろ。
その前に町長のご挨拶。
高校生が言い出したお祭りを、
周りにいる大人が、一緒になって、準備して、
後鳥羽院を祀る神社まで協力して、
町をあげて応援する。
もう島の中で、関係者じゃない人って、
いないんじゃないだろうか?
こんなすごい協力体制って、
大阪とかじゃ考えられない。
人口が増えるはずだわ、この島。
住んでて、楽しいもん、絶対。

その町長の挨拶は、短く簡潔で、
「もし雨が降ったら、それは後鳥羽院の歓喜の涙でしょう」のひとことで、
歓声が湧く。
グッジョブ!!
わかってはる!みんなの気持ち!

もち投げが始まる。
「神事に参加してたんやから、優作くんも投げるんやろか?」
思ってたんやが、姿見えんかった。さすがに、な。
なんかすごい肩持ってる人もおるんか、
ワシの上空をすごいスピードで飛んでいく餅もあった。
落ちた餅に飛びかかるちびっ子や高校生のスピードもすごい。
ワシは、オロオロするばかり。
けど、なんとか二個ゲット。

そして、島前神楽。
ほほう!!この地方特有の神楽があるんやな。
やはり、人口のわりに文化度が高いなあ。
お!出てきたのは、これまた高校生。

始まる前のご挨拶。

「諦めかけたけど、なかむら旅館のテツさんのおかげで、
ここで披露できることになった」と。。
もう、またおっさんを泣かすかあ。
まだお目当てのミュージシャンどころか、
一組もミュージシャン出てないのに、
ワシ、もうこのフェス、好きになっとるやんけ。

その彼が、真ん中で舞う、派手さはないかもしれんけど、
しめやかで品のあるええお神楽でした。
芸事なら、なんでも玄人はだしやったという
後鳥羽院好みなんかもしれんなあ、思いました。
「やあはーい!」という掛け声が独特で、面白い。
高校生の彼は、なかなか勇壮でかっこよかった。

あれ?こんなとこに、奈良市のならまちでよう見る身代わり申が!
なんか奈良と関連あるんやろかと思って、
検索してみましたが、わかりませんでした。
単に、お土産で買ってきたんやろか?
なんか繋がりがあったら、面白いのになあ。

そして、音楽プログラムが始まった。
一番目は、アイリッシュミュージックパーティー。
ああ、なんて幸せなんやろ。
ここで、この音楽を聴いてるということが、
嬉しくて、楽しくて、幸せで。

「好き」という気持ちには、理由なんてない。
説明なんて、必要ない。できない。
自分でコントロールできるもんでも、ない。
ただ「好き」って感じる、その気持ちがあるだけ。
ワシはこういうのんが好きなだけ。
そういう人間に、生まれ育って、
ほんまに良かったなあ、思った。
その自分では、どうにもならん「好き」が、
ワシをここまで連れてきて、
こんなに幸せな気分にしてくれてる。

海士町の人なら誰でも知ってる
「キンニャモニャ」のアイリッシュバージョン。
すごい!!このために練習してきはったのか!
ほんまに民謡とアイリッシュが融合してる。
しかも、めっちゃ気持ちいい。
客席から歓喜の声上がる。
そら嬉しいわな。
嬉しくないわけないわな。
関係ない、ワシまで嬉しいくらいやもん。

※この動画は、トシバウロンさんにご提供頂きました。

おお!みんな慣れて来たのか、
ご機嫌ダンサブルな曲で、踊る踊る!
こんなん初めて観た。ワシも踊った。
足攣りそうになったけど。
最後は、大きな輪になった。

「こういうことなんちゃうかなあ」
理屈もなく、そう思えて仕方なかった。
何が?祭りが?幸せが?生きるってことが?
また頭使い始めたな、こざかしい!
「こういうことなんやから、こういうことなんや」で、ええやんか。

バンドの一個目がアイリッシュミュージックパーティ、大正解!
この時に、この祭りが、ここにいる皆んなにとって
「自分の祭り」と思えるようになった気がした。

「SAKI BANDALL STARS」「sourire」、
地元のバンドが続く。
なんか高校の学園祭の延長みたいな感じで、ええやんか。
地元の人たちの前で、
こんなすごい人たちと同じステージでできるんは、
ほんま、なかなかないことやもんなあ。
嬉しいやろうなあ。

「sourire」という女の子のデュオ、爽やかなええ声で、
よかったですわ〜〜。
海士町の風景に溶け込んでいくような清々しさでした。

アマフェス、Tシャツ、2種類あったみたいやけど、
物販スタッフが着てて、物販で売ってたの、
とんちピクルスさんのイラストっぽかった。
ピコさんに聞くと「やはり!」だったので、
物販コーナーの兄ちゃんにモデルになってもらい、
撮って、とんちさんに送る。
もちろん、Tシャツ、買いましたよ!
とんちさん。

お、カンザスシティバンドの下田さん来はった!
たこ焼き、食ってはった!

ウルフルケイスケさんは地元の子とも。

これは、絶対嬉しいやろなあ。
もし島留学してきてる子やったら、
地元の同級生にめっちゃ自慢できるやろなあ。
大阪とかやと、ちょっと考えられんもんなあ。

ハッチェル4のペロさんとアイリッシュコーヘイさんおったんで、
写真撮ったら、アー写みたいなん撮れましたよ。

今回の楽屋↓らしい。
むっちゃ立派!!

状況よくわからんのやけど、
インターバルに突然出てきた方の
「ありがとうラップ」がめちゃくちゃおもろかった。
なんだか突き抜けてたなあ。
プロフィール、知りたくなって、
アマフェス、ホームページ行ってみたけど、わからず(笑)

CRAZY VOKKY‘S、これは島に移住してきた若者のバンドなんやろか?
なかむら旅館の瀬脇くんの顔も見える。
おおおお!!バカで楽しいやないか!
こーゆーの、大好き。
ラモーンズがTレックスの曲、やってるみたいな感じか、どんなんや(笑)

メンバー紹介、ボーカルくん、自分からするんかい!

おお「ええねん」でウルフルケイスケさん、飛び入り!
ご本家飛び入りって、そら、たまらんやろな

おおおお!ヨシくんおった!!
嬉しい〜〜〜!
って、ヨシくん、鳥取やから、
ワシよりいる確率、全然高いんやけどね。

そして、出ました!インチキ紳士、ハッチハッチェルのハッチェル4。

教育上、よろしくない、という意見もありそうな気もするが、
ワシは、この日、ハッチェル4を初めて観たうちの一人でも、
「こんな大人もいるんだ」「大人になるって楽しそう」と思う人がいたら、
それは、もう大成功なんやないか、
なによりもの教育ちゃうかと思った。

初めは「ハッチハッチェル」を知らなかったかもしれん人も、
どんどん前に押しかる。
最後の「ハッチェルハッチェル」は、ほぼ全員、やってたんちゃうやろか。
ああ、この日も幸せにしてもらいましたわ。
ワシ、1時間でサマソニ行けるところ住んでるのに、
それは行かんと、一日かけて、ここ来てる。
それがむっちゃ正しいと思えた。

ええ感じの三味線、弾いて歩いてる子、おった。
この子、さっき、ウルフルケイスケさんのステージで、
ベース弾いてた子ちゃうかな?

さあ、良元優作くん、出てきた。
優作に、高校生が聴き入ってる。

なんだか、こういう光景をずっと観たかった気がする。
今回は、これを観るために、ここまで来たような気もしてくる。
この中の一人にでも、優作の音が深いところに刺さりますように!

そういえば、優作くんの娘も高校生だ。
この子達が息子でもおかしくないのか。
ワシにとって、優作くんは、いつまでも、
「若いのに、ずっと年上のおっさんを驚かしてくれるすごい唄歌い」
やと思ってしまうので、
なんだか不思議な気がした。
それと同時に、こんな若い時に、
優作くんの歌に会えた高校生たちに、
ちょっと嫉妬した。
今は、聴いとくだけでいいのかもしれない。
訳わからんまま、心に置いとくだけで、
ええのかもしれない。
いつか、それが、君たちの人生に、
シンクロしてくる時がきっと来る。
そのとき、この日のことを思い出せばいい。
そんな経験が持てた君たちが、心の底から羨ましい。

ラストは「満月の手紙」。
滅多にやらない曲やのに、
なんでか、絶対次はこの曲やと思ってた。
この曲が来る、と、ワシは知っていた。

ここで、良元優作を聴けてほんま良かった。
テツさん、ほんまに、ありがとう!

「ハッチェル4-ハッチェル=3」か?
あ、失礼なことゆーてすんません!!

初めて観る、石見神楽!

エンターテイメント性がすごい!
くんずほつれつ。
どうなってるん?一体。
一瞬たりとも目が離せないわ。

そして、日が落ちた頃、ALKDO登場。
すげえ!力強いリズムと叫びが、会場を包み込む。

なんか、感じることが多すぎて、大きすぎて、
言葉が追いつかない。言葉に収まらない。

ほんまに素晴らしいわ。アマフェス。

おお!テツさんたち出てきた!!
地元サポート陣が、ALKDOと渡り合ってる。
ひとつの世界を作って、観客を揺さぶってる。
これはこれで、胸熱やなあ。
もうこの日、何回目か分からん、涙出そうな瞬間でございました。

そして、トリ前にカンザスシティバンド。

盛り上がらんわけがあらへんがな。

ああ、ワシ、酔ってきた。
まあ、午前中から飲んでるしなあ。
けど、この素晴らしい時間を、
まだらにしか覚えてないんが、口惜しいなあ。
すげえ盛り上がって、すげえ気持ちよかった記憶はあるんやが。

ハッチさんも、客席でめっちゃ盛り上がってた。

こんなすごい人たちの音楽を、自分たちの祭りで聴ける
高校生たちは、ほんまに幸せやなあ、思う。
ワシが60年かけて、たどり着いた最高の音楽に、
10代で触れられるんやもんなあ。
ワシが高校の時、こんな音楽に触れてたら、
どうなってたやろ、と考えてまう。
まあ、アホやったから、良さが分からんかったかもしれんけどな。

そして、さすがちゃんとしてる!
トリは、こんなすごいミュージシャンたちの出る中、
今回の主役たち、隠岐島前高校の「AMAFESバンド」!
これがアマフェスなんやなあ。
ほんまに正しいわあ。

これだけのことやってのけた、君たちに、
もう、おっさんは、感謝しかない。
「高校生なのに」とかではなく、
人間として尊敬するしかない素晴らしさやと思う。
感謝せざるをえん気持ちが溢れ出す。

そして、高校生だけでやり遂げたんではなく、
町の人も巻き込んで、達成したことがさらに素晴らしいと思う。
君たちだけの思い出ではなく、町の人みんなの財産を作ったってことやもんなあ。
君たちの「コロナで何もできなかった高校時代に思い出を作りたい」という気持ちが、
起点になって、町を動かし、
クラファンで、目標の2倍近い金額を集め、
こんな素晴らしい祭りを成功させ、
隠岐島どころか、島根県とも大した縁もない、
大阪に住む還暦すぎのおっさんの、まぶた濡らしてるんやもんなあ、
なんかすごいもん観せてもろたわ。
心から、ありがとう!

下田さん出てきた。
最後は、あの歌か。
ほんまに最後の最後まで正しいわ。

ここで爆発するために、エネルギー溜め続けてきたんやろな。
コロナで、何もできなかったことまでも、
肯定できてしまうような素晴らしい祭りやった。

一枚目の緑っぽい写真の下田さんの右で、
肩組んで、頭を空に向けてる彼らの姿だけで、
おっさんは、飯三杯行けるなあ。
あ、年取って食欲なくなってきてるから、三杯は無理か。

とか、しょうもないことゆーてるのは、
泣きそうになってるおっさんの照れ隠しでございますわ。

ほんまに素晴らしい祭りでしたが、
ワシは、酔っ払って、とっとと宿に戻って、
二日連続、9時頃、撃沈して、爆睡したのであった。
あとで話に聞くと、なかむら旅館での打ち上げも楽しかったそうで、
ちょっと残念な気もするが、
あの感極まったところで、一日を終えて、大正解だったよな、
という気持ちの方が、強いのであった。

またいつか、今は、まだ高校生になってない子どもたちが、
素晴らしい先輩たちのことを聞いて、
「自分たちもやりたい!」と思って、
アマフェスに挑戦しますように。
そして、その時、今回の主役たちが、
海士町に戻ってきて住んでて、大人として、サポートしたり、
海士町に住んでなくても、その時期には戻ってきて、
自分たちの時間を思い出したりしますように。
そして、願わくば、その時、
ワシも元気で、そこで飲んだくれてますように。

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