個人的には、他のタイトルにして欲しかったです。BBBムービー「碁盤斬り」。
ストーリー的に「?」って思うところが、ないではなかったけど、
けっこうドキドキしながら楽しめた。
惹きつけられたのは、絵の強さかもしれない。
けっこうアップの画面が多いのに、
そのアップの画面でも、情緒が醸し出されてて、
印象的な絵がいくつもあった。
さりげない床の絵でも、そのテクスチャーがきっちり出てて、
「何年も使い込まれた床なんやなあ」というのが、
伝わってきたりして、絵力って、こういうことか、と思った。
特に頭に残ってるのは、
お絹ちゃんが、弥吉に決別を言い放ち、
橋を渡って、煌びやかな吉原に向かっていくシーン。
ワンカットで、最終的には後ろ姿に寄るんやけど、
その背景が、すごく煌びやかなのに、
その分、もう届かないものとして、
哀しく見えてしまうのが、素晴らしいと思った。
監督の思いの詰まったシーンで、
その意図を、カメラマンも、ライトマンも、
完璧に共有してたんやろなあ、思う。
いいチームができてたんやろな。
芝居としては、國村隼さんの目線ひとつで、
いろいろ語る芝居に惹きつけられた。
草彅剛さんも、良かったんでだけど、
ところどころ表情の意味が読み取れず、
少し、不気味に感じてしまった。
あと、10年以上前になると思うんやけど、
友だち(どなたかは忘れました。すみません)に、
「小泉今日子さんは年齢重ねると藤田弓子さんに似てくると思う」言われて、
「なるほどなあ」思ったんやけど、
この映画観て、「ほんまや!」思ってしまいました。
しかし、残念なのは、タイトルやな。
たしかに印象的で、頭に残るタイトルではあるんやけど、
一番手に汗握ってドキドキするはずのシーンで、
「ああ、たぶん、ここで、そうなるんやろな」と、
ネタバレになってしまってるのが、
なんとも、もったいないと思いました。
タイトル、他に、なかったんかなあ。
ワシが碁に詳しくないから、わからんかったんかもしれないけど、
主人公の碁の戦法と、決闘シーンでの戦い方とか、
映画全体のストーリーとかが、あまりシンクロしてない、
碁が、ひとつの小道具にしかなってないような気がして、
そこもちょっと残念ではあった。